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Niwayama Gallery 庭山ギャラリー

Artist

22  アントネッロ・メッシーナ/Antonello da Messina(1430-79)

1470-75年 聖ヨハネと聖母子/St.John the Evangelist;Madonna and Child Enthroned with Angels (ウフィッツイ) Oil on wood

アントネッロ・メッシーナは、持ち前の行動力でフランドルの油彩画法を学び、これをイタリアに持ちこんでいる。それまでのテンペラ画法と比較すると、水の危険から作品を守れること、色を鮮烈に際立たせ光沢も与えることなどで急速に各地に広まった。アントネッロは、ヴェネチアでは彩色の斬新さと優れた素描力で評判になったが、この作品はヴェネチア滞在中のものである。

この作品を見る限り、筆法に特に細やかさはなく、筆致も大雑把である。全体に平面的な人物となっていて、イエスの顔は漫画チックな印象である。マリアの顔立ちは、従来見かけないもので、モデルのせいだろうが魅力的である。彩色も一役買っている。アントネッロは、筆の大きな動きで対象の人物を一気に描くというやり方だったのであろう。ここに取り上げないが、彼が描いた素晴らしい「受胎告知のマリア」(1473/74年 シチリア美術館)、「男の肖像」(1475年 ルーブル)などは、逆に非常に細かく丁寧な筆法をしている。

  • AP42
  • AP42-2

1475/76年 聖人と聖母子/Pala di San Cassiano(ウイーン)

この作品は、ヴェネチアで油彩画法で描いたもの。聖母子双方が正面を向いている構図は珍しい。マリアは前作のモデルと通じるところがあるが庶民的な風貌で親しみやすい。光輪はあるが世俗化度は高い。

  • AP43
  • AP43-2

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