Niwayama Gallery 庭山ギャラリー

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美人画の系譜 ルネッサンスの女性画

美術漫歩の第一弾として、ルネッサンスの女性画をとりあげる。ルネッサンスは、現代アートへ直接連なる美術の揺籃期である。西洋美人画の歴史は、聖母マリアを中心とする描写から始まった。
それまでのゴシックは、信仰の対象としての宗教画として聖母マリアを描くため、イエスにしてもマリアも人間的な表情を期待することはできなかった。15世紀から16世紀にかけて、絵画の聖母は、
世俗化されていく。ついには隣人の美人を描くのと何ら変わりがないほどになる。その経過を鑑賞することは興味深かった。マリアもイタリアでは少女の面影が大事にされていたが、
北方では、マリアは成熟した女性で、イエスの授乳時も胸を露わにするなど、世俗化の程度は一足早い。16世紀ヴェネチアのティツアーノで人物画はその頂点を迎える。ここではブロンジーノまでを画家の生年月日順に紹介するから、
興味のある画家を適宜見ていただきたい。ただ、前記した流れを見るには冒頭から順次見ていただくと分かりやすい。
美術漫歩の挨拶に記載したように、私が訪れた美術館でそのときに展示されていた絵画を撮影したに止まるので、美術史上著名な絵画も取り入れられていないものがある。例えば、ジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」(ドレスデン古典絵画館)
は美術館を訪問していないのでアップできない。メッシーナの「受胎告知のマリア」(シチリア州立美術館)も未見である。 今後新たな撮影ができれば必要に応じて収録をしたい。

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