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Niwayama Gallery 庭山ギャラリー

Artist

01  ジョット/Giotto Di Bondone(1265-1337)

1306-10年 荘厳の聖母・オニサンティの聖母/Madonna and Child Enthroned with Angels and Saints.’Ognissanti Maesta’(ウフィッツイ) Tempera on Wood

それまでのビザンチン・ゴシックの類型化した絵画様式から一歩踏み出すように、フィレンツエのチマブーエ、ジョットらが新たな表現を試みた。特にジョットは部分的ながら感情表現の端緒を開き人間的な表情の表現で絵画史上の令名が高い。もっとも、その後の絵画の発展を知っている我々の眼から見ると、ジョットの描く顔つきはまだまだ親しみやすさに欠けており、飛鳥・白鳳時代の観音菩薩のごとき趣がする。本作品の聖母の表情もそうであり、すぐ身近な存在というにはほど遠い。それはともかく、聖母の衣装のベールとシャツが金の刺繍に縁取りされ、高価なラピスラズリの紺色との組み合わせはシックでモダンな装いであり現代に通じる。また、聖母子が腰かける台座の豪華なことも含めて、絵画が信仰の対象としての威厳と荘重を大事にしていることが見て取れる。

  • AP1
  • AP1-2

1310-15年 聖母子/Madonna and Child(ワシントンナショナルギャラリー、以下たんにワシントンという) Tempera on panel

前作(AP1)と比較すると、聖母の顔の表情が豊かになっている。とはいえ、厚塗りをして見栄をきっている歌舞伎役者のごとき顔つきで、聖母は祈る者が高く仰ぎ見る対象であって、美人という人間的評価にはなじまない存在である。ベールのセンスの良さにはため息が出る。

  • AP2

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