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Niwayama Gallery 庭山ギャラリー

Artist

191    マネ/Edouard Manet(1832-1883)

(AP391) 1863年  オランピア/ Olympia(オルセー)
(AP392) 1863年  草上の昼食/The Picnic(オルセー)

マネのこの2作品が裸体画の伝統的世界に与えた衝撃は美術史的な事件だった。神話や聖書の世界と無関係なこの世の日常に裸体を登場させたことが何故かくも世間を震撼とさせたのか。伝統的な社会の約束事が偽善的な取り繕いで成り立っていたことを公然とさせたことは爆弾以上の威力があったのだろう。裸体描写そのものとして、マネの独自性があるとは思えない。女性の魅力に新たなページを作ったわけでもない。しかし、社会的・思想的に裸体画の在り方に新たな位置づけを与えた。世間の眉を顰めさせることは絵画のラディカルな役割の一つであると主張するかのようだ。絵画が特定顧客に媚びることなく社会一般大衆を意識して制作されるようになってきた時代の産物であり、その意味でも近代的なのである。

 

  • AP391
  • AP392

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